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バスタン&フィス

フランス バスタン&フィス Bastin&Fils

バスタン&フィス

フランス中西部に位置するオート=ヴィエンヌ県は古くから牛の飼育が盛んで、革鞣しに適した水質などの環境も影響し11世紀以降に製革業が発展しました。 バスタン&フィス(Bastin&Fils)はこのオート=ヴィエンヌ県のコミューンの1つ、サン=レオナール=ド=ノブラで1806年に創業したタンナーです。

 

バスタン&フィスはこの地伝統の技法を用いた植物タンニン鞣しを専門としたタンナーで、全ての工程において妥協を許さない姿勢で生み出される皮革は極めて質が高く、1981年からはフランスの老舗シューメイカーの傘下に入りソールレザーを独占的に生産しています。 バスタン&フィスの製造する皮革はこのソールレザーが主となりますが、鞣した皮革の一部は革小物用に調整され市場に供給されています。

 

バスタン&フィス製の革小物用レザーはタンニンで鞣された無染色の革で、一般的に「ヌメ革」と呼ばれる皮革になります。
一口にヌメ革と言ってもタンナーによって様々な表情・特性を持っておりますが、バスタン&フィスの皮革の色味はシャンパンカラーのような色味です。ソールレザーよりもしなやかに仕上げられているものの、しっかりとしたハリ感やコシを残しています。
皮革の断面、触れた感触からしっかりと目の詰まった皮革であることが伝わります。引き裂きにも強く、頑丈なギン面を持った極めて強度の高い素材です。

 

この品質の高さはその製造工程と妥協を許さぬ真摯な姿勢にあります。 バスタン&フィスの皮革製造は牛がまだ農場にいる時点で既に始まっています。 原皮に求められるのは薄すぎず、且つ厚すぎない、茂みや柵による傷などのない牛のバット(お尻)で、このバットの最も硬い中央の部分のみがバスタン&フィス社の皮革に用いられます。皺の多い肩回りや、柔らかすぎるお腹の部分はこの革には適さないため使用されません。

 

原皮を調達するバイヤーは原皮の品質と欠陥を見極め、取捨選択を繰り返しながら革へと変化した際の可能性を見極めます。

 

厳選された原皮で製造する皮革は1種類のみ、親会社であるシューメイカーが唯一認可した鞣し技法として、イタリアのチェスナット、中南米のケブラッチョという木から抽出した植物性タンニンによって革を鞣しますが、鞣しの期間は約一年を要します。

 

チェスナットとケブラッチョから抽出したタンニン溶液で満たされた容器に3ヶ月、その後はチェスナットから抽出したタンニン溶液を満たした屋外のピット槽に沈められます。この時原皮と原皮の間には粉砕されたオークの樹皮がサンドイッチのように重ねられ、層になった状態で10カ月近くの期間を掛けて皮から革へと変化していきます。

 

効率や採算とは逆行した製造工程かも知れませんが、200年を超える伝統の技法を遵守して製造される唯一無二の皮革だからこそ、かのシューメイカーのソールレザーと成り得るのです。

ケア方法

始めからオイルを多く含んでおりますので、基本的にクリームを塗って頂く必要はございません。普段のお手入れは乾いた柔らかい布で力を入れずに乾拭きのみを行ってください。

革が乾燥してきましたら、無色のクリームをごく少量布に取り、良く馴染ませ製品に円を描くように動かし塗布して下さい。その後、柔らかい布で力を入れずに乾拭きを行ってください。

(※多量の油分はオイル染みやコシの抜け等、革の風合いを損ねる原因となりますので、過度な塗布は十分ご注意下さい。)

推奨ケア用品

コロニル 1909シュプリームクリームデラックス (無色の靴用保革クリームでも代用可能です)

馬毛ブラシ、山羊毛ブラシ

ご注意点

水濡れについて

水染みが残りやすい素材のため、水分が付着すると顕著に水染みが残り、取り除くことが出来ません。雨天時の屋外など、水濡れの起こりうる環境でのご使用はお控え下さいませ。

また多量の水分はカビの原因となり、放っておくとカビが革繊維の内側に根を張り、完全に取り除くことが難しくなります。万一濡れてしまった場合は、すぐに乾いた布で拭き取り、陰干しをしてください。(※ドライヤーや日光に当てるなどの急速乾燥は、革の風合いを損ねる原因となりますので、くれぐれも行わないようお願い致します。

 

防水スプレーについて

使い方によっては染みや色ムラ、曇りなどが発生する可能性がございます。ご使用法をよくご確認頂き、予め目立たない部分で一度お試し頂いた上でご使用ください。

 

汗について

汗に含まれる塩と酸は革の風合いを著しく損ねる原因となるほか、水分により表面に「ブク」と呼ばれる水膨れを作る可能性があります。ブクは修復することが出来ませんので、長時間ズボンのポケットに入れてのご使用はなるべくお避けください。ご使用中、多量の汗の染み込みを感じられましたら、きつく絞った布で水拭きし、その後柔らかい布で乾拭きしてください。乾拭きを終えてもカサつきや曇りをお感じになられましたら、製品が完全に乾いた後でクリームを全体に薄く塗布し、柔らかい布やレザーグローブ等でお磨きください。

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