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ベルト・PISA(ピサ)についてのお話

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WILDSWANSのベルトラインナップは現在、イギリス・ベイカー社のスティラップレザーを用いたメッシュベルトのHAMLYNS(ハムリンズ)、同じくベイカー社のフルグレインブライドルレザーを用いたフルグレインブライドルCOLYTON(コリトン)の2アイテムで展開していましたが、この度、待望の新アイテムが加わります。

 

〇ベルト・PISA(ピサ)・・・・・28,600円(税込)

カラー:ブラック、チョコ

サイズ:85 ㎝/34 inch、90 ㎝/36 inch,95 ㎝/38 inch

 

HAMLYNSやフルグレインブライドルCOLYTONの2つのベルトは、どちらかというとカジュアル志向の強いベルトであったのに対し、PISAはドレス志向の強い、スーツやジャケットスタイルとも非常に相性が良いスマートなベルトです。WILDSWANSでは以前展開していたBELGIAN(ベルジャン)というベルトの後継モデルの位置付けで、そのディテールについてはBELGIANを忠実に再現しています。

 

BELGIANには、ベルギー・マシュア社のサドルプルアップを使用していましたが、PISAではイタリア・ブリターニャ社製のPECOS(ペコス)を使用しています。

 

ブリターニャ社はイタリア中部、トスカーナ州フィレンツェ近郊の町、サン・ミニアートで1961年に創業したタンナーです。タンナー自体の歴史としてはそれほど長くはありませんが、イタリア古来の伝統的な革鞣し技法であるバゲッタ製法を用い、時間をかけて鞣す植物タンニン専門タンナーです。ちなみにこちらは、WILDSWANSでもお馴染みのイタリア・バダッラシーカルロ社のミネルバボックスと同じ製法です。またブリターニャ社は、「イタリア植物タンニン鞣し協会」にも加盟しており、製造工程に使用される鞣し剤には、人体に有害とされている化学合成物質は一切含まれていません。そして、このブリターニャ社が作るPECOSには、アルプスの麓で自然に育てられた放牧の雄牛の原皮が用いられています。PECOSは、この原皮のショルダー部分のみ用いてじっくりと手間暇をかけて鞣すことにより、耐久性と適度な柔軟性を兼ね備え、オイルの効いた染料仕上げの自然の風合いと相まって、使うほどに温かみのある独特の味わいとなります。なお、PECOSでは堅牢で曲げ伸ばしに強い、ショルダー部分の革を用いるため原皮段階から残るシワ(トラ)や血筋、小傷等ありますが、こちらは製品を製作する上では避けることができませんので予めご了承ください。

 

次にPECOSのお手入れについてご案内させて頂きます。WILDSWANSで展開するフルグレインブライドルレザーやイングリッシュブライドルレザー等、他のタンニン鞣しの皮革と同様に、基本的なお手入れはブラッシングと柔らかい布を使用しての乾拭きです。皮革用クリームの過剰塗布については注意が必要ですが、極端に乾燥が見られる場合は、コロニル社の1909シュプリームクリームを少量布に塗布して全体に良く馴染ませるように磨き上げます。

 

使用前のPECOSは表面がマットな状態ですが、使用することで皮革の表面に摩擦がかかり、ほんのりと上品な光沢が現れます。

 

こちらがベルトの側面にあたる部分です。スマートな雰囲気のPISAですが、適度な厚みがあります。そして見逃せないのは、コバ(革の裁断面)です。このコバもWILDSWANSの革小物と同じように丸味が出るように丁寧に削った後でじっくり時間をかけて磨き上げています。PISAではいずれのカラーにおいても、コバに染料を用いて磨きをかけています。このため、明るめのお召し物を合わせる際には、移染が発生する恐れがありますのでご注意ください。

 

ステッチは、ブラック、チョコの2色共にダークブラウンの糸を採用しています。一糸乱れぬ美しいステッチは、職人の腕の見せ所です。

 

バックル側のベルト帯部分の縦に長い縫製は一つ一つ手縫いで仕上げています。しっかりとした厚みのあるPECOSを折り返して縫製をかける工程には、熟練した職人の技量が求められます。

 

WILDSWANSのロゴはベルト帯の裏側の中央付近に刻印されています。ちなみに帯裏も表側と同色のPECOSを合わせているので、ベルトとしての耐久性を一層向上させています。

 

2枚のPECOSの間にはヌメのトコ革の芯材を入れて程よい厚みを出しています。さらにPECOS自体が他の牛革に比べてシワになりにくいので、美しい状態を長く保つことができます。

 

ベルトの長さ調節穴は5つご用意しています。サイズは85㎝/90㎝/95㎝の3サイズ展開です。(現状ではこちら以外のサイズの展開や個別の製作は行わない予定です。)

 

弊社でのサイズ計測方法としては、5つの調整穴の真ん中(3番目)の穴からベルトのバックルのピン先までを計測しています。ご自宅で採寸する際は、ベルトを巻くのと同じ要領でベルトループにメジャーを通す方法があります。この時、腰の位置をご自身で一番しっくりと来る位置に合わせるのがポイントです。

 

PISAに装着するバックルは、優雅な曲線が美しい立体的なパーツに仕上げています。こちらも手作業により金属を削っているため、仕上がりまでにとても長い時間を必要とします。なお、こちらのバックルについては製造過程において発生した気泡や小傷がございますので、ご購入の際はこちらをご理解頂きますようお願い致します。

 

なお、こちらのバックルは取り外しが可能となり、他のWILDSWANSのバックルに交換をすることもできます。今回ご紹介しているPISAでは、基本的にベルト帯の3つのカラー共通でシルバーカラーのカジュアルタイプのバックルを装着していますが、WILDSWANSの直営実店舗である銀座のWILDSWANS support&galleryでは、ご来店を頂いた際にご希望がございましたら、在庫を確認した上でゴールドカラーのカジュアルタイプのバックルシルバーカラーのドレスタイプのバックルに付け替えてご用意をさせて頂くことも可能です。

 

ベルトの剣先側を挿入するサル革にもPECOSを用いています。

 

こちらは、ベルト全体のディテールの美しさを決定づける剣先です。鋭過ぎず、丸過ぎず、絶妙なバランスで仕上げています。

 

 ここからは実際にスタッフがPISAを試着した様子をご覧ください。

 

先ずはスーツスタイル。お行儀の良い印象ですが、PISAを身につけることにで、よりスマートな装いとなります。

 

続いて王道のジャケパンスタイル。スーツスタイルから少し崩しても違和感なくマッチします。

 

最後は、さらにカジュアルにしてカーゴパンツと白シャツとの組み合わせです。少しラフなスタイリングでもPISAの主張が強すぎないので全体的にすっきりとした印象になります。

 

いかがでしょうか。やはりドレススタイルとの相性は抜群ですが、カジュアルなスタイルにおいてもPISAを取り入れることで全体が上品な印象に仕上がります。

 

丈夫でありながら上品な風合いのPECOSを用いたベルト・PISA(ピサ)は、WILDSWANSの直営店である銀座のWILDSWANS support&galleryWILDSWANS Online Shopで3月25日昼12:00から発売させて頂きます。1本のベルトにWILDSWANSの美意識と技術を余すところなく用いたPISAを是非ご覧くださいませ。

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