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新型ベルト・BALLENA(バレーナ)についてのお話

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WILDSWANSのベルトのラインナップに新たなモデルが加わりました。

 

 

一枚革ベルト・BALLENA(バレーナ) 

幅・・・30mm

サイズ展開・・85、90、95、100(cm)

継ぎの無い一枚革を贅沢に使用したベルトです。負荷の掛かる部分には手間と技術を要する仕上げを施し、また側面のコバに関してもしっかりと磨き上げられています。 今回はこのBALLENAが2種の異なる素材で製作され、スポットでの入荷となりましたのでご紹介をさせて頂きます。

 

FULL GRAIN BRIDLE / BALLENA・・・33,000円(税込)

カラー:ナチュラル

こちらはイギリス、ベイカー社が製造するフルグレインブライドルレザーのナチュラルを使用しています。

 

フルグレインブライドルレザーは様々なカラーが用意されていますが、今回使用するのは無染色のナチュラル、いわゆるヌメ革です。

一般的なブライドルレザーはワックスや油分をより浸透しやすくするため、皮革の銀面(表面)を少し削るという工程を経ますが、フルグレインブライドルレザーはこの銀面の甘刷りを行わずにワックスを浸透させます。

ベイカーというタンナーだからこそ可能な技術ですが、 結果銀面(GRAIN)を全て残したまま皮革になります。

この特徴によってフルグレインブライドル(FULL-GRAIN BRIDLE LEATHER)という名称が付きました。銀面を全て残したことで皮革本来の表情、強度や耐久性をダイレクトに味わって頂くことが出来ます。

 

皮革は漉かずにそのままの厚みで使用されておりますが、その厚みは5mm程と非常に肉厚で存在感のある仕様で、 断面からは分厚い銀面層も確認できます。

この皮革は短期間で劇的に変化するような皮革ではなく、じっくりと使い込んで頂く中で着実に表情を変えていくような素材です。皮革として高い耐久性を備えているからこそお楽しみ頂けるような経年変化ですが、フルグレインブライドルレザーの魅力を感じて頂くという点でもベルトは非常に相性が良いです。

 

こちらはフルグレインブライドルレザー(ナチュラル)の皮革を摩擦などによって経年変化を再現したサンプルになります。 画像のように徐々に色味が深まって光沢が現れ、味わいのある表情へと変化している経過が垣間見えます。

明るい色味なので特に初めは汚れなども目立ちますが、多少の染みやムラはご使用頂いていれば段々と目立たなくなって参ります。

 

SOFT BOM / BALLENA・・・28,600円(税込)

カラー:ブラック、ブラウン

続いてSPLENDA社のSOFT BOMを使用したBALLENAです。SPLENDAはスペイン・カタルーニャ州バルセロナ近郊の都市、イグアラダにあるタンナー(革鞣し業者)です。

1930年代に創業と歴史は古く、創業からベジタブルタンニン鞣し専門のタンナーとしてヌメ革(植物由来のタンニンで鞣した皮革の総称)のみを製造し続けています。 伝統を重んじ、タンナーという職業に誇りを持ちながら、長年研鑽を積んだベジタブルタンニン鞣しの技術に絶対の自信を持っています。

皮革の種類によって鞣し剤の種類や配合、工程を調整するといった綿密さで生み出された質の高い皮革は、 大手メゾンやシューメイカーなどからの信頼も厚く、バッグやベルト、靴のソールや自転車のサドルに至るまで様々な用途に使用されています。

 

SPLENDAのソフトボムはフランス・ブルターニュ産の原皮を用い、ミモザというアカシア属の植物、ケブラッチョというウルシ科の植物2種から抽出されるタンニンを用いて鞣され、更に特別に調合されたオイルを浸透させることで独特の柔軟性を持たせた皮革です。

 

しなやかで軽い手触りはタンニン鞣しの皮革とは思えないほどです。 このしなやかさによって体にぴったりとフィットするため、ベルトのようなアイテムには非常に適した素材です。 柔軟とは言えどペラペラとしたコシの無いものではなく、内部には繊維がみっしりと密集し、良く締まった革であることが分かります。

 

また皮革の表面は不規則にシボが浮かび、革一枚一枚、部分ごとに表情が異なります。このシボはタンブル加工とも呼ばれる、回転する巨大なドラムに革を入れてシボを付ける工程を得ているため、型押しとは異なりシボの形状や強弱はランダムに刻まれます。 シボが強く刻まれている箇所もあれば、殆どスムースレザーに見えるような部位もあり、偶然が作り出す多彩な表情もソフトボムの特徴の一つです。

 

それでは皮革の経年変化についてもご覧頂きましょう。 左側が未使用の状態、右側は1年ほどスタッフが使用しているサンプルになります。

 

こちらは見た目の変化は殆どありません。強いて言えば表面に光沢が出てきた程度でしょうか。反対に変化がないことが驚嘆すべき点です。 ベルトは革小物の中でもトップクラスにハードな環境に晒されます。高温多湿、スレや曲げ伸ばし、捻じれ、等々、皮革の強度や耐久性がダイレクトに影響することは革ベルトを使用されている方であればご存じかと思われます。 このソフトボムもそんな環境で1年の間使用されて参りましたが、使用歴を感じさせないほどしっかりとしており、しなやかで強いという理想的な特徴が現れています。

 

なお一枚革のベルトの特徴として、皮革の床面に画像のような凹凸や傷が見られることがあります。

これは皮革が出来上がった時点で含まれているものですが、そのままの厚みで漉かずに(薄くせずに)使用するため、このような跡が床面に入った状態の在庫も入荷致します。

 

製品の耐久性などに影響のあるものではございませんので、仕様としてご理解を賜りますようお願い致します。

 

皮革のご紹介がひと段落したところで、BALLENAの仕様をご紹介させて頂きます。

 

 BALLENAは一枚革のベルトです。

 

継ぎ目の無い一つのパーツから作り出した強度、堅牢性は言わずもがなで、雰囲気のある皮革は何より身に着けていて心地が良いものです。

 

コバ(革の断面)もしっかりと磨かれており、フルグレインブライドルレザーは色を入れず皮革そのものの色味を活かした「素磨き」

 

一方のソフトボムはコバ部分に黒い顔料を乗せて磨いて仕上げています。

WILDSWANSの革小物は染料で仕上げることが多いですが、衣類などへの移染を避けるため、soft bom BALLENAのコバの仕上げには顔料を用いています。

 

こちらはベルトの剣先側です。 ベルトの調整穴は25mm毎に5つ空けられており、1インチずつの調整が可能です。

 

こちらはバックル側です。 BALLENAに付属するバックルはカジュアルタイプのゴールドになり、実店舗へのご来店にてご購入される場合に限りシルバーカラーのカジュアルバックルやドレスタイプのバックルに付け替えてお持ち帰り頂くことも可能です。

 

背面にはベルトのサイズが刻印されています。

 

ベルトとバックルの接続部分を横からご覧頂いています。

ベルトの先端を少し漉き、バックルを差し込むループを作りながら背面に折り曲げて縫製されています。 つまり完全に一枚の革で作られていることになります。 当然高い強度を要求される部位になりますので、ステッチは頑丈な蝋引きの麻糸を用い、更に一針一針手縫いによって縫製されています。

手間と技術を要する工程ですが、同時に最重要と言っても過言ではない工程になります。

 

バックルはネジ式のため、小さなマイナスドライバーがあれば簡単に取り外しが出来ます。 ご使用中に緩みが生じた場合にもこのネジを締め直して調整が可能です。

 

BALLENAのサイズについて、WILDSWANSのベルトについてはBALLENAのようにサイズ調整穴が空いたタイプは共通したサイズ表記となっており、5つの穴の中央(3番目)からバックルのピン先までの長さを計測します。

ご注文を頂く際にはご自分のサイズをご確認頂いて、お間違いの無いようにご注文下さい。

※一度装着されたベルトは押し跡が付いてしまいます。そのような跡が生じてしまった製品はご返品頂けませんのでご注意下さいませ。

 

一枚革を使用した堅牢なBALLENAは現在WILDSWANSの直営店である銀座のWILDSWANS support&galleryWILDSWANS Online Shopにて販売中です。

なお、今回のアイテムはスポット入荷品のため完売後の次回生産は未定、入荷案内対象外の製品となります。 興味をお持ち頂けましたら是非ご覧下さいませ。

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