『丈夫で長持ちする道具をつくりたい』
WILDSWANSの革小物が誕生した背景にはその様な強い思いが込められています。
製品を10年も20年もご使用いただける様に・・・その月日とともに愛着が増していきます様に・・・お手入れをはじめとするアフターサービスにも力を入れております。
WILDSWANS直営店、C.O.U.銀座店、C.O.U.京都店では「エイジングサポート」として、お手入れなどのご相談を随時承っておりますが、昨年7月に銀座に新たにオープン致しました、WILDSWANS support & galleryでも、お客様おひとりおひとりとゆっくりお話をさせて頂きながら、よりよい状態でお品物をご使用いただけます様、製品のお手入れなどのサポートさせて頂いております。お手入れを承っている間、ゆったりご着席頂きながらお待ち頂けるスペースを設けており、お気軽にお立ち寄り頂ける場となっております。製品について、革について、ブランドに関しての素朴な疑問などもございましたら、お気兼ねなくご質問下さいませ。ご予約等はご不要でございます。C.O.U.各店同様、ご都合の良い時にいつでもご利用いただけます。
お手入れをさせて頂く機会が多い箇所のひとつとして、WILDSWANSの顔の一つ、といっても過言でない、「コバ」の部分が上げられます。今回は、お手入れ方法も交えながら、コバについてのお話しもさせて頂きたいと思います。
WILDSWANSのコバにも『丈夫で長持ちする道具』としての要素が盛り込まれています。
比較的、濃いお色味の製品には黒いコバを採用しています。黒々と確かな光沢を放つこの表情は染料で仕上げられています。顔料などで覆って仕上げているのではなく、革にじわじわと馴染んでゆく染料仕上げですので、衝撃を受けたり経年変化しても、欠け落ちてしまったり、染色部分が剥離してしまう心配がありません。そのため、外観を損なわず長くご使用いただく事ができます。
こちらは染料を入れる前の仕込みの様子です。手作業で丁寧に角を取り、丸みを付けながら研いでいきます。技術と根気が必要な作業です。この絶妙な丸みと曲線は外観の美しさを生み出すだけでなく、壊れにくい道具を作るのに重要なポイントといえます。世の中で一番壊れにくい形状は「球体」といわれているからです。角のある部分は、外部からの衝撃を受け易く、そこから壊れてしまいがちな為、使用過程で製品が傷みやすくなる原因のひとつとなりますが、角をできる限りなくすことでダメージを軽減することができます。
引っかかりのない、美しい曲線へと生まれ変わったコバは、丁寧に染色されていきます。
幾重にも染料を重ねたコバの部分も、黒い染料が染み込んだ「革」であることには変わりありませんので、必要に応じて、クリームを使用ししっかりと保湿をしながら磨かせていただきます。
こちらはスリッカーを使用している動画です。
(Instagram WILDSWANS officialより)
もちろん、木製の丸いお手入れ道具、「スリッカー」のみでもコバのお手入れに十分な効果を発揮致します。摩擦熱が起きる程度の強い力を加えながら、コバの部分を素早くこすります。コバに触れた時に、温かく感じられる位が目安となります。繊維が寝て引き締まることで滑らかな状態に近づきます。スリッカーでのお手入れは必ずしも行っていただく必要はございませんが、指の腹で撫でて頂いた時、ざらつきやへこみなどがお気になる場合にご使用下さいませ。難しいお手入れでなく、日常的にご自身でもおこなっていただきやすい仕上げを施している事が、長く良い状態で、ご愛用頂ける秘訣のひとつでございます。
ナチュラルカラーや、ブッテーロなどの極めて明るいお色味を使用している製品のコバにもご注目下さいませ。黒い染料は入っておりませんが、こちらもしっかりと磨かせて頂いております。特にカラフルな革を組み合わせて制作した製品のコバは、革のパーツが幾重にも重なっていることが実感でき、その色の鮮やかさが顕著にくっきりと反映されており、一点一点異なる表情を見せてくれます。なんとも言えない個性的な表情に引き込まれてしまいそうです。WILDSWANS製品の醍醐味といえるこのコバは、この染料を入れない「素磨き」仕上げでもしっかりとご堪能頂く事ができます。WILDSWANS製品をお手に取っていただく際には、改めてコバの表情にもじっくりとご注目いただけますと幸いです。
製品表面の皮革のお手入れはさることながら、コバもお手入れを加えることで、顕著に応えてくれます。使い込んでいただいたお品物ほど、お手入れ後の滑らかさが癖になってしまうかも知れません。殆どの革小物に付属しているスリッカーは、お客様にお気軽にご自宅でもコバのお手入れをしていただけます様ご用意しておりますが、詳細なご使用方法や、頻度に関してのご質問をお受けすることも少なくありません。上記のような要領でご自身でもお気軽に、コバのお手入れをお愉しみいただけますが、お近くにお越しの際は、是非一度、実際にご使用方法やお手入れの流れなどをご覧いただきながら、お客様の目で、手で、体感していただきたいと思います。
また、長くご使用頂けばいただくほど、黒いコバはお色がうっすら抜けてしまう事がございます。そういった症状の場合でも、染料を入れ直させて頂き、できる限り良い状態でお返しできるように努めております。特に明るいお色の製品は、染料の退色が目立つことがございますのでお気になる際はお気兼ねなくいつでもご利用下さいませ。
今すぐお手入れが必要な製品のお持ち込みだけでなく、お手入れや製品に関して、皮革そのもののご質問ご相談なども随時承っております。WILDSWANS support & gallery に是非お気軽にお立ち寄りくださいませ。皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。
WILDSWANS support & gallery
【住所】 〒104-0061 東京都中央区銀座1-15-8 銀座耀ビル8F
【TEL】 03-6264-4158
【営業時間】 12:00~18:00
【定休日】 なし(休業を頂く場合には事前にHPで告知を致します。)