※こちらは2009年4月に更新されたアーカイブ記事です。
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イタリア産の革、「ミネルバ」の、その魅力とは。
上の写真はイタリアのバダラッシー・カルロ社(BADALASSI CARLO SRL)のミネルバ・ボックス(Minerva Box)と言う革です。
木に「銘木」と呼ばれるものがあるように、革にも「銘革」と呼んでも良いものがあると、私は思っています。
「銘酒」「銘菓」と呼ばれるものも、思わず銘を入れたくなるほど優れていると感じたが故、そのように呼ばれ出したのでしょう。
様々な革を使用してきた経緯や経験の中で、そう呼びたくなるような革に出会うことがあります。今回取り上げるイタリアのバダラッシー・カルロ社のミネルバと言う革は、そんな革です。
銘木と言うと、屋久島の屋久杉の他、京都の北山杉などが有名ですが、私が初めてミネルバ(ボックス)を見た時の印象は、天然シボの北山杉を初めて見た時の印象と、何故か同じでした。理由は今でも分かりません。単純にシボが入っているからかも知れませんが、それだけではない様な気がします。
茶室などの数奇屋建築や、日本建築の座敷の床柱として使用される杉丸太ですが、「天然のシボ杉」が最高級と言われています。百日紅や赤松なども床柱として使用されますが、やはり杉の白木の天然シボが最高の贅沢とされています。(桂離宮にも使われていて、ツルンとした普通の白木ではなく、天然のシボが入ったもので、大変珍しく、非常に高価なものです。)
杉の白木の白さは、革で言うところの「白ヌメ」にあたり、それが経年変化によって熟成されて色が付き、艶が出てくるので、そこが杉の白木が最高級品と言われる所以です。つまりはエイジングの妙です。
そう考えると、日本人は(全ての人では無いですが)経年変化と言うものが好きなのかも知れません。風合いが変わっていく様を愛でる感覚、とでも言うのでしょうか。それも人工的にではなく、いたって自然に変わっていく様が、です。